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与党、過半数奪取なるか 野党失速、尹政権「中間評価」―韓国総選挙まで1カ月

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【図解】韓国総選挙の構図

【図解】韓国総選挙の構図

  • 韓国の尹錫悦大統領=2023年11月、ロンドン(AFP時事)
  • 韓国の最大野党「共に民主党」の李在明代表=1月10日、ソウル(EPA時事)
  • 【図解】韓国国会の勢力図

 【ソウル時事】韓国の尹錫悦政権の「中間評価」と位置付けられる4月10日投開票の総選挙(定数300)まで10日で1カ月。保守系の少数与党「国民の力」が過半数を奪取し、政権の安定につなげられるかが焦点だ。革新系の最大野党「共に民主党」は過半数維持を目指すが、公認候補の選考を巡る混乱が響き、支持離れが進んでいる。

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 世論調査機関「韓国ギャラップ」が8日に発表した調査結果によれば、国民の力の支持率は37%で、1カ月前から3ポイント上昇。一方、共に民主党は4ポイント減の31%だった。

 国民の力は、韓東勲・前法相が昨年12月にトップの非常対策委員長に就いて以降、安定しつつある。弁が立つ韓氏は女性人気が高く、次期大統領候補と目される。尹氏と一定の距離を置き、従来の「尹氏のアバター(分身)」のイメージ払拭にも成功。同党の候補者公認も比較的スムーズに進んだ。

 与党としては、過半数を奪い政権の求心力を維持することが最重要課題。予算案や法案の成立には野党の協力が不可欠で、尹大統領は難しい政権運営を強いられてきた。与党関係者は「過半数を取り、保守政権への完全な移行を実現したい」と意気込む。

 尹氏は2022年5月に大統領就任後、冷え込んだ対日関係の改善を進めた。与党が勢力を拡大できなければ、尹政権は早くもレームダック(死に体)化しかねず、日韓関係にも影響する可能性がある。とはいえ、国民の関心は「民生」。尹氏は各地で「民生討論会」を開き、経済や医療、教育など生活に関わる政策のアピールに懸命だ。

 他方、共に民主党は総選挙の候補者公認を巡る混乱が尾を引く。公認選考で李在明代表に近い人物が優遇されたという不満や、「総選挙の勝利よりも党内の反対勢力排除に没頭している」(重鎮議員)といった批判が噴出し、所属国会議員の離党が相次いだ。選考から排除された文在寅前大統領の側近らと執行部の対立も深まった。

 党内からは「このままでは勝てない」との声も漏れる。李氏はソウル近郊・城南市長時代の都市開発事業を巡る背任事件などで公判中。複数の疑惑を抱える中、党内の求心力維持のため、信頼できる人物で固めようとしているもようだ。

 二大政党の激突の構図に新党も絡む。革新系では、文氏の側近で、子どもの入試を巡る不正事件で公判中の※(※恵の心が日)国・元法相が「祖国革新党」を立ち上げ、共に民主党との連携をアピール。祖国革新党は世論調査で6%の支持を得て存在感を示す。国民の力元代表の李俊錫氏、共に民主党元代表の李洛淵元首相は、それぞれ「改革新党」と「新しい未来」を結党。両者は「第三極」として合流を目指したが決裂し、勢いを失っている。

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